パナソニック『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』が7月上旬発売、業界初の自動計量&遠隔炊飯
- 2023/6/21
- ライフスタイル
パナソニック株式会社は、2022年11月より始動した家電製品の先行体験プログラム「Future Star Program(FSP)」の第1弾として提案した『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』を、2023年7月上旬に一般発売することを発表した。6月13日(火)に行われたメディア向け説明会では、FSPの結果や新製品の説明に加え、開発メンバーによるトークセッションが行われた。
先行体験プログラム「Future Star Program(FSP)」について
発売前の家電製品を先行体験できる「Future Star Program(FSP)」は、新たな生活スタイル提案で暮らしを豊かにするために、顧客と流通とメーカーの同社が協働でマーケティングを磨き上げる取り組みである。FSP体験者には応募時、使用前、使用後、デプス調査と4ステップのヒアリングを行い、新たなニーズを読み解いていくのが狙いだ。
その第1弾として提案されたのが、業界初となる自動計量&遠隔炊飯の機能を持つ『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』。2022年11月15日から12月25日まで応募を受付したところ、200台の定数に対し、約1万件という約50倍もの応募があったという。驚異的な応募数と、更には一般発売を望む多くの声を受け今回の発売が決定した。オープン価格は税込み4万6000円 前後を予定している。
『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』の特徴
①米と水の計量・投入から炊飯まで全自動
無洗米専用とする2kg(13合分)の米びつを本体中央上部に、600ml(2合分)の水タンクを本体後方に内蔵。あらかじめ米と水をセットしておくことで、炊飯器が米と水の計量・投入から炊飯までを全自動で行ってくれる。
②スマホ連動で予定に合わせて炊きたて
パナソニックの「キッチンポケット」アプリとのスマホ連携で、予定に合わせて遠隔炊飯できるほか、予定変更時も炊きあがりのタイミングを変更することができる。
③おひつで炊きたてを食卓へ
内釜はおひつ型のデザインをしていてそのまま食卓に持ち運んで炊きたてのごはんを食べることができる。
同社がFSP実施前に想定していた『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』の生活価値としては、「外からスマホ操作でき、帰宅に合わせて炊飯開始できる」「米と水をセットするだけであとはスマホ操作のみ」「米と水の計量を炊飯器におまかせできる」ということだったが、FSP実施後の体験者のヒアリングにより、タイパに関わる新たな生活価値を多数発見し、想定以上にシングル層に期待の声が大きいことが分かったという。
■「Future Star Program(FSP)」体験者の声
・手間を削減できたことにより、ごはんを食べる頻度が増加した
・「炊きたて」のおいしさに価値を感じる
・「遠隔炊飯」が大きな魅力
・家の中でもアプリ、おひつ型の釜が便利
■FSPによって得られた新たな発見
①タイパに関わる新たな生活価値
・外からだけでなく、家からもスマホ操作が便利。家でごはんを食べる回数が増える
・米と水の軽量からの解放。正確に計量できるからおいしい
・計量から炊飯まで全自動
②ターゲット層の変化
FSP前は少数世帯の増加に伴いDINKs世帯をターゲットとし、2人の生活リズムの違いに寄り添う炊飯を目指していたが、FSP体験者はDINKs世帯に加え、シングル層において反響が大きかったことから、発売に向けてコアターゲットをDINKs、サブターゲットをシングル層に想定。
このようなFSPの結果から、発売後は「米や水の計量からの解放」「外でも家でもスマホ操作で時短」「正確な計量=おいしい炊飯」という“新・炊飯習慣”を根付かせるべくマーケティングを行っていくとしている。
『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』について
ここからは、トークセッションで語られた開発への取り組みを元に新製品の魅力を伝えていく。
業界初!米と水の計量・投入から炊飯まで全自動
パナソニックでは、これまで約40年に渡って、炊飯器の全自動化に向けた取り組みを行ってきた。しかしながら今ほど無洗米が流通していなかったことや、IoT技術の発達やスマホによる遠隔操作もなかったため当時は実現にまで至らなかったという。今回の新製品はこの40年で培われたノウハウを生かし、試行錯誤を重ねてようやく完成となった。その最大の特徴は、米と水の計量から炊飯まで全自動で行う技術で、正確な計量と独自の炊飯プログラムにより合数に合わせておいしく炊けることだ。
無洗米専用の自動計量炊飯プログラム
水→米の順番に少量ずつ交互に投入することで、重量センサーがリアルタイムに加水比を把握。フィードバック補正しながら投入量を自動調整する。無洗米は中まで均一に給水させることが難しいため、前炊きの温度を低めに、時間を長めにすることで米の芯まで給水させ、最適な火力で沸騰を維持し、米の芯まで膨らませるようにプログラムされている。その味わいは、粒感があり、お米本来の味を感じられる雑味のないごはんを目指している。『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』は、炊飯量を0.5合から2合まで、0.25合刻みで設定でき食べきる分だけ炊くことが可能。内釜の目盛りで水を入れていたこれまでの炊飯器と違い、米に対し正確な水加減で炊くことができるのでおいしく炊きあがる。銀シャリコースの場合好みのかたさは7段階でアプリから設定できる。
調理ソフト担当の萩さんは、「ここに行き着くまでにはかなり時間がかかった。無洗米専用の自動計量炊飯プログラムを作るためには朝から晩まで何度も試食をした」と正確な計量を実現するまでの苦労を語った。一般の炊飯器は釜を上から下へ垂直に乗せるのに対し、「自動計量IH炊飯器 SR-X1」はおひつ型の釜を水平にスライドさせてセッティングするため、接地面が温度センサーに反応しないなど、設計技術においても試行錯誤があったという。
技術担当の大村さんは、「開発当初は米→水の順番で投入しており、米と水の入り方が安定せずにうまく炊き分けができていなかったが、結果的に水を先に入れることで釜内の米が安定し、正確な計量ができるようになった」と説明した。
水平垂直でスタイリッシュなデザイン、おひつ型の釜へのこだわり
デザイン担当の吉田さんは「通常、炊飯器をデザインするときは調理道具の鍋や釜をモチーフとするが、今回の炊飯器は上が米びつになるためキッチンにおいたままでも違和感のない空間調和を大事にした。調理道具らしさ、馴染みのあるおひつの形にすることで、ごはんを連想させるデザインにしており、かつ、空間に馴染むように水平垂直の形となっている」とデザインへのこだわりを語った。しかし、継ぎ目のない一体の成形というデザインは技術としてはハードルの高いものだったため、デザイン担当と技術担当では綿密な打ち合わせを行ったという。技術担当の大村さんは「部品の合わせ面を綺麗に仕上げ、綺麗でシンプルな、スタイリッシュな炊飯器に仕上がることができた。炊飯器という限られた内部構成の中で、チャレンジが多かったが楽しかった」と開発期間を振り返った。デザイン担当の吉田さんは「炊飯器というとキッチンの中に存在するものだが、おひつという形にしたことで食卓にやってくるという新たな生活の仕方が生まれてくれると嬉しい。炊きたてはごちそうだということを再認識していただき定着していってほしい」と『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』発売後の期待を語った。
保温と予約機能の省略
シンプルでスタイリッシュなデザインに加え、“炊きたて”のおいしさを味わうというシンプルな生活の提案をしており、保温の機能はない。また、予約機能はスマホの遠隔操作によって行い本体側では予約ボタンは省略されている。表示部は【START】【CANCEL】【RICE】の3つのボタンのみというシンプルに構成になっている。
「キッチンポケット」アプリとのスマホ連携で遠隔操作
本体では3つのボタンのみの操作だが、スマホと連動することで、炊き方・好みの炊き方調整・炊飯量・炊き上がり時間を設定することができる。炊き方は「銀シャリふつう・かため・やわらか・早炊き・カレー・おかゆ」の6通り。好みの炊き方は7段階※銀シャリコースのみ、炊飯量は0.5合から2合まで0.25刻みで設定が可能。
今すぐの炊飯開始はもちろん、炊き上がり時刻を予約することができる。また、これまでの炊飯器でも予約機能はあったが、すでに米に水を浸してセットしているため多少の予約時間の変更はできても炊飯のキャンセルできない(浸水したからには炊くしかない)ものだったが、『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』では予約時間の変更だけでなく炊飯のキャンセルや炊飯量が変更できるのも大きな魅力と言える。実際FSP体験者の96%がキッチンポケットアプリを連携させて使用しており、アプリ連携の魅力として、1位に「外出先から炊飯指示・予約が可能(88%)」2位に「自分に合わせた炊き方が可能(65%)」、3位は「外出先でも予約変更が可能(61%)」と高評価だった。一方で、現行は米の残量のチェックができないため、「お米の残量もアプリで表示してほしい」という要望が多数あり、米残量管理機能を今後アップデートする予定とのこと。
説明会では、『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』で炊飯の実演があり、炊きたてのごはんの試食を行った。各テーブルに『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』が置かれ、説明会の間に炊飯が行われていた。見た目は実にシンプルでコンパクト。加湿器のような見た目で炊飯器のイメージを一新している。また、驚いたこととしては炊飯中の音が静かで蒸気が少なかった点。『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』は2合の米びつが上部にあるため、米の傷みを防ぐためにも炊飯中の蒸気口は米びつを避けるように構成されている。また最大2合という少量の炊飯量も蒸気が少なくなる要因となるようだ。
今回炊飯されたお米の銘柄は「つやひめ」で、炊きあがりはまさに“つやつや”。米粒ひとつひとつを感じながらも、ふっくらともちもちしており、噛むほどに甘みを感じられた。試食では梅干しと塩昆布が用意されたが、筆者はそのままで食べることに一番美味しさを感じ、『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』で炊いたごはんがあればむしろおかずは要らなくなるかもしれない、と思ってしまった。また、テーブルへ運べるおひつ型の釜という価値については、実際に体験してみて感じるものがあった。というのも、筆者は同じテーブルに座った初対面の記者3名で、おひつのごはんを分けてもらい試食をしたのだが、まさに“同じ釜の飯を食う”仲間のような感覚を覚え、ごはんのおいしさやこの新製品の良さに話が弾んだ。これが食卓にあれば自然に笑顔が溢れ家族の会話が広がるだろう。
『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』はシンプルながら自動計量と遠隔炊飯という業界初の技術と持ち運びできるおひつ型の釜で、炊きたてのごはんを食べるという幸せを感じさせてくれる炊飯器だ。いよいよ7月上旬、多くの人が待ち望む一般発売となる。ぜひあなたも『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』で新たな炊飯習慣を手に入れてみてはいかがだろうか。
■商品概要
『自動計量IH炊飯器 SR-AX1』
オープン価格 4万6000円 前後(税込み)
2023年7月上旬一般発売