京都大学とエプソンがアートイノベーションとデジタル捺染を融合させた新たな価値創造を目指すための共同研究を開始

京都大学大学院総合生存学館アートイノベーション産学共同講座とセイコーエプソン株式会社は、これまで推進してきた「アートイノベーション」とエプソンのデジタル捺染技術を融合させて新たなインクジェット技術の価値創造を目指すための共同研究を2021年12月14日に正式発表した。同日、記者会見とファッションショーが行われた。

この共同研究ではアートとデジタル捺染技術を融合した「アートをまとう」のコンセプトのもと、デジタル捺染の特長を生かした方法で、映像アートを布地に安定的に、かつ高画質に再現し、アーティスト個人がオリジナルデザインの服飾品を必要な量だけ生産、販売できるビジネスモデルの実現を目指していくものだ。

アートファッションの試作品

現代の最先端技術とアートを結び付けることに価値があるのではないかと思い、アートイノベーションテクノロジーに関心を持った土佐尚子特定教授は、自身の代表作である「サウンドオブいけばな」やその他のアート作品をエプソンのデジタル捺染技術により服飾品という形にする、アートファッションの試作品としてドレスシャツやネクタイなどを学生らと共に制作してきた。

高速度カメラで捉えた流体と音の振動が創り出した自然現象が、いけばなの型に合致していることから“音から生まれたいけばな”として「サウンドオブいけばな」と名付けたと土佐尚子特定教授は話した。

「サウンドオブいけばな」

セイコーエプソン株式会社 執行役員 プリンティングソリューションズ事業本部長の𠮷田 潤吉氏は、本研究で実現したいこととして、下記3つを語った。

・アーティストの表現の可能性を最大限に広げ、自由に物を作って届けられる

・環境負荷の少ない生産方式で 環境負荷の少ないサプライチェーンで届けられる

・消費者が自分らしい個性を大切にしてファッションを思う存分に楽しめる

今後は、これまでの試作品を通じてさらなるデザインと品質の向上を図るとともに、ECサイトでこれらの作品の販売を予定している。また、2021年11月27日から2022年1月9日までの期間、東急プラザ表参道原宿において、土佐尚子特定教授のビデオアートの展示とともに制作された服飾品の展示を行っているので、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

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