shitakoe logo

明治、免疫力を育てる『イクメン(育免)』を提唱!親が子どもにできる育免の方法とは?

コロナ禍を経た今、マイコプラズマ肺炎、インフルエンザ、溶連菌、感染性胃腸炎など次々に“過去最多”を記録する感染症が報告されている※。コロナ禍に乳幼児期を過ごしてきた子どもは、感染予防対策を徹底してきたあまり、さまざまな病原体と接触する機会がなかったことで免疫力が弱いとも言われている。
株式会社 明治が実施した、小学校3年生以下の低年齢の子どもを育てる全国の父母1,000名と小児科医100名を対象とした「子どもの感染と免疫力」に関する意識調査では、コロナ禍以降に乳幼児を育てている父母にとって「子どもの免疫力を育てたい」という想いが76%と強いにも関わらず、「育て方を知らない」が77%という結果だった。筆者もコロナ禍に子育てをしてきたので、子どもの免疫力には心配がありながらも、どうすればいいのか悩んでいる親の一人だ。
同社では、子どもの免疫力の発達プロセスを知り、健全な発達を促すことを、子どもの免疫力を育む新たな考え方『イクメン(育免)』ととらえ、小児科医をはじめとした専門家の意見と共に発信している。本稿では同調査結果を詳しく見ながら、小児科医で子どもの腸内細菌叢や免疫系の発達に詳しい関西医科大学副学長・小児科学講座教授の金子一成先生のお話を元に、『イクメン(育免)』のポイントをお伝えしていこう。
※ 出典:感染症発生動向調査 週報(IDWR)

多くの父母を悩ます子どもの感染症

2024年4月~2025年3月の1年間で、父母向けに「お子さまが感染症にかかり、発熱(38 度以上の熱)した回数を教えて下さい」という質問に対し、81%にあたる812名の父母が1回以上の感染があったと振り返った。また、そのうち「ほかの家族にうつったかどうか」を聞くと74%が他の家族への感染があったと回答しており、高い割合で家族内感染が起きていたことがわかった。

子どもが感染症にかかったことにより父母が受けた影響として、「自身や配偶者の体調不良」(56%)、「突発的に仕事を休み、同僚に迷惑をかけたこと」(55%)だった。また回答した父母の1/3以上(37%)が、「通常の生活に戻るまでに6日以上を要した」と回答しており、休日を踏まえると、実質1週間は仕事・社会生活に影響したと考えられる。

核家族の共働き世帯が多いなか、仕事、看病、感染拡大の防止、食事の準備などを並行する負担が親の体調にも影響し、子どもの体調を維持させることにプレッシャーを感じる父母は約半数(48%)に上るなど、心身への影響が窺えた。

子どもの免疫力低下と感じている医師は半数近く…しかし免疫力は育てられる!

小児科医向けの調査では、クリニック等で実際に感染症にかかった子どもを日々診察する一次医療機関に勤務する医師のうち、コロナ禍に乳幼児期を過ごした子どもの免疫力が弱い・育っていないと感じる医師は、半数近い42%にのぼった(「そう感じる」「ややそう感じる」計)。そのように感じている医師に対し、子どもの免疫力低下の原因を聞くと「コロナ禍での一般的感染症の未感染」81%、「過度な除菌」57%、「外遊びなど外出機会の減少」50%という回答だった。

「子どもの免疫力は育てる(成熟させる)ことができるか」という質問では、「そう思う」「ややそう思う」と回答した小児科医は合計67%に上った。

子どもの『イクメン(育免)』のために父母が実践していることとすべきこと

では実際に、子どもの免疫力を育てるために父母が行っていることはどのようなことだろうか。調査結果では、「十分な睡眠を取らせる」(62%)、「規則正しい生活を送らせる」(57%)、「食事の栄養バランスに気を配る」(50%)と続いた。医師がすすめる対策方法と乖離が大きかったのは、「適度な運動をさせる」(医師の回答より父母の回答が26%低い)、「予防接種(ワクチン)を積極的に受けさせる」(同・25%低い)となった。
この結果に対し、金子先生は「親御さんは皆さん、睡眠・規則正しい生活・食事の栄養バランスなどよく気を付けておられると思います。運動については、ぜひ親子での外遊びの機会をもっていただき、さまざまな異物や微生物に触れる機会を創っていただきたいと思います。幼いうちに免疫細胞に経験を積ませることを意識しましょう。また、ワクチン接種は予想よりも低い結果でした。定期接種のワクチンは、重症化しやすい感染症からお子さんを守る術として確立されていますので、漏れがないよう接種しましょう」とコメントしている。

免疫力を高めるための食事とは?

多くの父母が実践している『イクメン(育免)』の対策として「食事の栄養バランスに気を配る」が半数という結果だったが、実際にどのような食事を心がけているのだろうか。
父母が免疫力を育てるために子どもに積極的に食べさせているものは、1位:ヨーグルト(47%)、2位:納豆(36%)、3位:みそ汁(33%)で、いずれも小児科医の回答でもポイントが高い食品だった。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が含まれるヨーグルトや納豆などの発酵食品は腸内環境を整える効果が期待でき、免疫細胞が多く存在する腸内環境を整えることが免疫力を高めるという認識がかなり定着しているようだ。小児科医では、これらに加えて「緑黄色野菜」(48%)、「青魚」(31%)をすすめるものとして挙げる割合が高かった。
この結果について、金子先生は「免疫力を育てるため実践している対策として、親御さんからヨーグルトやみそ汁、納豆が上位に挙がっており、医師の回答と共通して腸内環境の改善、腸管免疫の促進に有用な発酵食品をあげており、親御さんたちが医学的に正しい認識を持っていることが推測されます。さらに、医師が重視している緑黄色野菜や青魚などを含むバランスの良い食事が望まれます。発酵菌を含む発酵食品と食物繊維の豊富な野菜の組み合わせは、体にとって有用な細菌を摂るプロバイオティクスと、腸内細菌のエサとなる成分を摂るプレバイオティクスの組み合わせ(シンバイオティクス)※であり、腸の免疫力を活性化させるのに有効です」と話す。
※プロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクス

プロバイオティクスとは、体に良い影響を与える善玉菌を摂ること(ヨーグルト、納豆、みそ汁、他、生きた微生物を含む食品の摂取)、プレバイオティクスとは、善玉菌の栄養源となる食物繊維やオリゴ糖などを摂り、腸内の有用菌を増やすことをいう。シンバイオティクスとは、プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に摂取することであり、腸内環境の改善や便秘改善、感染症防御・炎症制御などに活用されている。

調査概要
調査対象者:
1.感染症を診断する一次医療機関(クリニック等)で過去5年以上診察する全国の小児科医100名
2.低年齢の子ども(小学校3年生以下)を育てる全国の父母1,000名
調査方法:インターネット調査(日本能率協会総合研究所調べ)
調査時期::2025年3月上旬
※構成比は小数点以下第1位を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%とはならない場合がある

金子一成先生
関西医科大学副学長、医学部長、小児科学講座主任教授
著書:『小児の腸内細菌叢 UP-TO-DATE』(編著・日本医事新報社 2024)他 多数

金子一成先生のコメント
幼いうち、特に3~4歳頃までにさまざまな病原体に触れることで、感染予防やアレルギーの発症を抑える免疫機能が育ちます。また、12~13歳頃の思春期までに、免疫細胞の数が増えたり、免疫にかかわる臓器が成長します。免疫力が発達する時期には、お子さんの清潔さを過度に意識せず、定期接種のワクチンをしっかり打ったうえで、外遊びなどさまざまな経験をさせてあげるようにしてほしいと思います。
感染症によるお子さんの発熱は、親御さんにとっては非常に辛いことだと思いますが、それは免疫力のトレーニングの機会でもあります。免疫力を育てる工夫をすることで、症状が軽く済む可能性も高まりますので、日頃から免疫力を育てる『イクメン(育免)』を意識しましょう。
本調査で小児科医がすすめる対策として上位に上がっている項目を意識すると良いと思います。睡眠・運動(特に外遊び)・規則正しい生活を心がけましょう。また、ワクチンの定期接種は、最も確実な免疫強化方法ですので欠かさないことです。食事の面では、腸の免疫系を刺激する発酵食品や緑黄色野菜をあわせて摂るシンバイオティクスをはじめ、さまざまな食品をバランスよく食べさせる工夫が必要です。

今回の調査結果では、多くの親は『イクメン(育免)』の方法が分からないと悩んでいるようだったが、食事面でヨーグルトなど発酵食品を積極的に子どもに食べさせるなど、腸活が免疫力のために効果的であるという認識が浸透しており、すでに『イクメン(育免)』を実践できている親も多かった。さらに、医師が重要視している「緑黄色野菜」や「青魚」の摂取や、食事や睡眠など生活面での対策に加えて、「適度な運動」や「予防接種」も『イクメン(育免)』のポイントとして心掛けよう。

関連記事

カテゴリー

アーカイブ

ピックアップ記事