「家事シェア」の上手なポイントは? 卓上型食洗機新モデル発表のパナソニックが体験セミナーを開催

卓上型食器洗い乾燥機の新フラッグシップモデル「NP-TZ500」を6月下旬に発売するパナソニックが、同製品の体験セミナーを東京都内で開催。実演による汚れ落ち実証と手洗いとの節水比較のほか、家電シェア研究家の三木智有氏をゲストに招いたトークセッションを行った。

約3年半ぶりに放つ食洗機のフラッグシップモデル

この度、パナソニックが約3年半ぶりのフラッグシップモデルとしてリリースする「NP-TZ500」は、同社の卓上型食器洗い乾燥機では初となる洗剤自動投入機能と、洗浄コースを自動的に選択してくれる「おまかせコース」を新搭載しているところが前モデルからの大きな進化だ。

この日のセミナーではまず、同社の担当者から新製品の機能説明が行われた。

内閣府の調査によると、日本における食洗機の普及率は全世帯で平均約29%。その中で29歳以下の世帯の普及率は8.6%と極めて低い。そうした現状から2030年までに食洗機普及率50%を目標に掲げる同社では、早いタイミングで食洗器の魅力を知り、使い続ける文化を醸成したいという思いから、ここ数年、業界最薄奥行約29㎝のスリム型食洗機、ひとり暮らし用のパーソナル食洗機など多様なライフスタイルに合わせた製品をラインナップに加えてきた。その中で今回発表された「NP-TZ500」は30代から40代のファミリー世帯をメインターゲットとしている。

NP-TZ500。カラーはホワイトとブラックの2色展開。

おそらく食洗機を経験したことのない人が抱く主な“疑念”は、「汚れがちゃんと落ちるのか?」という点ではなかろうか。それに対して同社の食洗機は、手洗いでは難しい約60~80℃の温水での洗浄と強力な水流によるストリーム除菌洗浄、そして強力な食洗機専用洗剤が、高い洗浄力を実現している。

フライパンや携帯ボトルも洗浄できる広い庫内。

また、同社の独自技術・ナノイーXを搭載した一部モデルは、乾燥後、除菌された庫内で食器の保管が可能という点も魅力になっている。

洗剤の投入も洗い方の設定もおまかせの新モデル「NP-TZ500」

その確かな洗浄力をベースに、新モデルの「NP-TZ500」には汚れの具合を検知する「汚れセンサー」を初搭載。それにより2つの新機能が加わり、さらに便利な食洗機に。

そのうち「液体洗剤自動投入」は、あらかじめ洗剤タンクに補給した洗剤を洗浄作業中に自動で投入してくれる機能だ。これにより使うごと毎回、洗剤を計量して投入する必要がないので、無駄も手間も省くことができる。

洗剤投入口。1回の補充で約30回の使用が可能。

一方の「おまかせコース」は、予洗いで着色汚れを、洗浄工程で油脂汚れを検知し、汚れ具合に応じて最適な洗剤量と洗い方を自動で設定してくれるという機能。洗浄工程で油脂汚れが多い時は追加洗いをしてくれるので安心だ。

また、前モデルから貯水部分を改良することにより約10%の節水を実現。同社の実験では、一回(5人分相当の食器=食器40点、小物20点)の使用水量は約9.9リットルと、同じ量を手洗いした際の水量の約7分の1になるという。

手洗いとの節水比較。青い部分が使用水量。

そうした点に加え、手洗いに比べ年間約300時間の時間節約になるというメリットも語られ、電気料金の値上げが続く中における水道光熱費の削減や、若い世代を中心にタイパ意識が高まる中で自由時間の創出にも寄与するという、現代のニーズに合致している点の言及もあった。

夫婦の家事分担にとって分担割合よりも大切なこととは?

続くトークセッションには、家事シェア研究家の三木智有氏がゲストとして登場。同社社員を進行役に、NPO法人tadaima!の代表として夫婦の家事を分担する「家事シェア」の概念を広める活動をしている同氏が、「家電を上手に使った家事シェアのコツ」をテーマにトークを行った。

家事シェア研究家の三木智有氏

「僕が家事シェアの活動を始めた14年前に比べると、今ではパパたちが家事・育児にだいぶ関わるようになってきたと感じます。ただ、それでもまだ夫婦間には家事分担に対する認識に大きな違いがあって、学校に例えるなら、家事・育児が“必修科目”となっているママに対して、家事・育児を“選択科目”のように捉えているパパが多いことは否めません」

はじめにそう述べた三木氏は、次に諸外国と比較した夫婦の家事・育児時間を提示しながら、日本人男性の家事・育児時間が妻の約4分の1という他国に比べても圧倒的な大きな開きを指摘。ただし、「家族のために使う時間+仕事のために使う時間+自由時間」という分類で時間の使い方を見てみると、通勤や仕事に多くの時間を割く日本人男性が、自由時間を目いっぱい使って家事に関わっているという現状が示された。

そうなると「自由時間が増えれば、日本の男性は家事をするのか?」という疑問が湧くが、東京都が行ったある調査によると、テレワーク化等で自由時間が増えたはずのコロナ禍期間の前後で、男性の家事・育児時間は約1分しか延びなかったという。

「在宅ワークでちょっと自由時間が増えても、それだけでは手詰まりの状態になっている。この状態を脱するためには、これからのパパたちは企業や社会から『家族と暮らしを営む権利』を取り戻さなければなりません」

そう持論を述べて、今まで企業戦士として会社に時間を捧げてきた時間を家族との暮らしに切り替えることの重要性を述べた同氏。続いて、「家事を上手にシェアするコツ」を尋ねられると、「自由時間の公平性」という言葉を挙げて次のように説く。

「ママにとって家事育児のワンオペがつらいのは、忙しさや大変さはもちろんのこと、何より自分でコントロールできる自由時間が取れないということなんですね。趣味のために使ったり、お昼寝をしたりする時間もない。それを踏まえ、家事をシェアするというと『家事を分担して一緒にがんばろう』という義務的な考え方になりがちですけど、実際は分担割合よりも、『時間』という夫婦の共有財産を公平に使っていくための手段を考えることの方が大切なんです」

その手段の一例として、「夫婦でスケジュールを共有するだけで夫の家事・育児時間が上がる」というGoogleの調査結果を紹介した同氏は、そもそもの家事総量を減らす手段として「家電は家事シェアの頼れるパートナー」と、家庭への食洗機導入をプッシュ。「母乳神話だったり三歳児神話だったり、家事や育児にはいろいろな神話があって、その中には手間や時間をかけるほど愛情や価値があるとされてきた『手作業神話』みたいなものもあると思います。それを善しとする考え方はもう終わりにしましょう」と呼びかけた。

なお、この日の会場では、手洗いと「NP-TZ500」との節水比較、および、べたつきお皿の汚れ落とし実証という2つの実演結果を披露。前者では、先に述べた節水効果が目に見えてわかる形で証明され、後者ではギトギトのカレー皿がピカピカに洗いあがった光景に出席者たちも納得の表情を浮かべていた。

NP-TZ500での洗浄前と後のカレー皿の比較

パナソニックの卓上型食器洗い乾燥機「NP-TZ500」は2024年6月下旬発売予定。オープン価格で市場想定価格は10万5千円前後とのこと。これまで食洗機を使ったことがないという方も、家事にかかる時間を減らして自由時間を獲得する手段として購入を検討してみては。

【パナソニック「NP-TZ500」商品ページ】
https://panasonic.jp/dish/products/NP-TZ500.html

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