5月病「やる気の低下」に効果的な対処法は、体を動かして“やる気を迎えに行くこと”
- 2023/5/1
- ライフスタイル
いよいよゴールデンウィークに突入したが、始まりがあれば終わりがあるのが世の常。連休明けのことはまだ考えたくないという人も多いだろうが、連休後に懸念されるのが“5月病”。5月の連休明け頃から多くの人々が悩まされる原因不明の不調だ。
カバヤ食品株式会社が小学生・中学生の保護者を対象に実施した「5月病に関する調査」の結果、保護者(大人)自身も子どもも、5月病の症状として最も多かったのが「やる気が起きない」という症状。また、半数近くの保護者は、時期に関係なく、日頃から子どものやる気を引き出すことに苦労しているという結果が出た。同社ではこの「やる気が起きない」ということについて追加調査を行い、その対処法について、脳研究者として日頃より「やる気アップ術」を発信している東京大学薬学部 池谷裕二教授監修のもと結果を分析した。
5月病の症状で最も多いのは「やる気が起きないこと」、大人も子どもも6割超
5月病になった経験がある大人と子どもそれぞれに「5月病になったと感じた症状」を聞いたところ、共通して最も多かったのが「やる気が起きない」で大人が63.0%、子どもが60.4%という結果になった。続いて、大人は「何かをするのが億劫になる(51.9%)」「ネガティブ思考になる(41.7%)」となり、子どもは「何かをすることを嫌がる(38.5%)」「ネガティブ思考(38.5%)」という回答だった。
大人が行った5月病の対処法1位は「気分転換に外出する」、4割以上「かなり効果あった」
5月病を改善するために大人が行ったこととして、1位が「気分転換に外出する(51.2%)」、2位が「趣味など好きなことをする(40.2%)」、3位が「美味しいものを食べる(37.8%)」となった。また、3つの対処法に関しては、いずれも効果がかなりあったという回答が4割を超えており、大きな効果を感じた人が多かった。
池谷教授によると、「やる気」は脳の真ん中あたりにある“側坐核(そくざかく)”というところから生み出されており、“行動を起こすこと”により「やる気」はコントロールできるのだという。
『実は脳はとても騙されやすく、どんなに億劫でも体を動かして「やるんだぞ!」と思ってしまえば、「やる気」になります』つまり体を動かすことで、「やる気」を引き出すことができるというのだ。今回の調査で効果があったと考えられる「気分転換に外出する」「趣味など好きなことをする」「美味しいものを食べる」は、いずれも体を動かす対処法だった。
『一度「やる気」を引き出すことができたら、今度は「やる気」 が体を動かしてくれて、「やる気」はどんどん連鎖していきます。さらに、何かを継続して行う場合は、例えば「3分間デスクを片付ける⇒仕事に取り掛かる」や「甘いものを食べる⇒洗濯物を畳む」など、きっかけとなる行動を設定して繰り返すことで、体が覚えて、その行動を起こすと習慣的に仕事や作業を行うモードになります』
5月病を改善するために、最も多くの保護者が子どもに行ったのが「いつもより優しく接する」。しかし、かなり効果があったと回答した人はわずか14.3%
子どもの5月病を改善するために保護者が行ったことは、1位が「いつもより優しく接する(52.2%)」、2位が「改善するのを待つ(40.3%)」、3位が「気分転換に外へ連れ出す(37.3%)」と「やりたいことや好きなことをさせる(37.3%)」だった。「いつもより優しく接する」ことにより子どもの5月病にかなり効果があったと回答した保護者は、14.3%と比較的低い数値に。また、「改善するのを待つ」も22.2%と同様に低い数値だった。一方、大人で高い効果があった「気分転換に外へ連れ出す」は44.0%、「やりたいことや好きなことをさせる」も32.0%と、上位2つと比較して、大きく効果を感じた人が多かった。
これに対し、池谷教授はこう分析する。『「いつもより優しく接する」「改善するのを待つ」というのは、体を動かすことと直接的には結び付けづらく、そのためあまり効果が感じられなかったと考えられます。大人と同様に「気分転換に外へ連れ出す」や 「やりたいことや好きなことをさせる」を実行した方は効果がかなりあったことからも、やはり体を動かすことと「やる気」には関係があると言えるでしょう。じっと待っているだけでは、やる気は引き出せません。「やる気」は自ら迎えに行く必要があるのです』
また、子どもが継続して何かを行う場合は、保護者がきっかけとなる行動を設定してあげると良いという。『例えば「ユニフォームに着替える⇒サッカー教室に向かう」「おやつを食べる⇒宿題をする」などを繰り返し行うことで、きっかけとなる行動を起こすだけで習慣的に自ら動くことができるようになります』
多くの保護者は時期に関係なく、子どものやる気を引き出すことに苦労している
「お子さんのやる気を引き出すことに日頃から苦労していますか?」という質問に対して、46.3%が「はい」を選択。さらに、「お子さんのやる気が下がっていると感じるのは何月ですか?」という質問に対し、56.0% は「時期は関係ない」と回答した。5月病の時期に限らず、保護者は年間を通して子どものやる気を引き出すことに苦労しているようだ。
また、今回の調査対象者からは、子どものやる気を引き出すことに関して、ご褒美のあげ方について悩む声が上がった。池谷教授は『継続して何かを行う場合、ご褒美はかなり効果があります。何か良い結果が出たときにご褒美をあげるのではなく、「この日まで続けたら、ご褒美!」「ここまでできたら、ご褒美!」というように、先に区切りを設定しておくことで、やる気を継続させることができます。また、“褒める”ということも、脳にとっては立派なご褒美。しかし、褒められることが当たり前になってしまうと、今の自分に満足してしまって先に進めなくなってしまうため、何か良い結果が出たり、成長が見られたタイミングで“褒めてあげること”が大切。「うれしい」「気持ちいい」という感情によって発生する刺激は、側坐核に伝わってやる気を引き出してくれます』
また、やる気や集中力を持続するためには、脳のエネルギー源となる「ぶどう糖」を多く含むお菓子やフルーツを、おやつとして取り入れてみるのもおすすめ。
■調査概要
調査対象 :小学生・中学生の子どもを持つ保護者
調査方法 :WEB アンケート調査
調査期間 :2023年3月24日~27日
サンプル数:300人
調査機関 :株式会社ネオマーケティング
カバヤ食品は手軽に美味しく「やる気」をチャージできる“やる気チャージタブレッツ”を販売中。脳のエネルギー源となる「ぶどう糖」が手軽に摂取でき、すっきりレモン味で気持ちも爽やかに。やる気の低下を感じた時は、「やる気をチャージするぞ!」とイメージしながら“やる気チャージタブレッツ”を試してみよう。
“やる気チャージタブレッツ”特設ページでは「やる気」に関する情報を発信中。やる気を出したいことや頑張りたいことを3つ書き出し、全て達成できたときの自分へのご褒美を設定できる「やる気っかけシート」や「池谷教授のコラム」など、日常生活でやる気を引き出すための情報を随時公開予定。
URL:https://www.kabaya.co.jp/catalog/chargetablets/yaruki/
5月病の症状として、頭痛や腹痛などの身体的なものや、ネガティブ思考など精神的な症状の場合は医療的アプローチが必要な場合もあるので注意が必要だ。今回の調査で多くの人が感じた5月病の症状「やる気の低下」に関しては、「気分転換に外出する」「趣味など好きなことをする」「美味しいものを食べる」など、自らの生活の中で工夫していくことができそうだ。やる気が起きないときはその一歩を踏み出すのが億劫ではあるが、自分が好きなことや前向きになれることから始めてみようではないか。