モータが社会を、未来を変える!業界トップシェアのニデックがモータ業界の社会貢献度をアピール
- 2024/8/9
- other
身の回りのさまざまなところで使われているのに、あまり目にすることのない「モータ」。機械の中に組み込まれていて、表には出てこないがなくてはならない陰の立役者だ。家電はもちろん、自動車やスマホ、医療機器や産業機器など、その用途は多岐に渡る。そんなあらゆるものに使われているモータは、世界の電力エネルギーの約半分を消費しており、モータの効率化によって世界のエネルギー消費を抑えることは、脱炭素社会への貢献につながるのだが、その認知度は低いようだ。
精密小型モータの開発・製造において世界一のシェアを誇るニデック株式会社(以下、ニデック)が行った「モータの社会貢献度に関する調査」によると、実に8割以上が「モータが脱炭素に貢献している」ことを認識していないことが明らかになった。
また、製品の小型化により暮らしを豊かにしていることなど、社会に役立つ技術であることが十分に認知されていないことが判明した。
【調査概要】
調査名:ニデック「モータの社会貢献度に関する調査」
調査期間:2024年5月24日(金)~2024年5月28日(火)
調査対象者:大学生・大学院生ならびに20代~50代の男女各103名(計1,030名)
調査方法:インターネット調査
これらの調査結果を受けニデックは、「モータ業界の社会貢献度」認知向上を図る新たな取り組みとして、スペシャルサイト「モータインパクトレポート」を8月8日(木)より公開。「SDGs(省電力)」「くらし」「みらい」の3つの視点から、モータ業界の社会貢献度を可視化したデータやグラフを展開し説明している。また、インタビューコーナーでは、「モータで世界をちょっといい方へ。」をキーワードに異なる業務に携わる社員5名が様々な視点からモータについて語っている。
スペシャルサイト「モータインパクトレポート」:
https://www.nidec.com/jp/brand/company/motor-impact-report/
「SDGs(省電力)」:モータによる「脱炭素インパクト」
世界の電力消費の46%はモータによるもの
環境に貢献しているイメージを持たれていないモータだが、実は、地球環境と密接な関係がある。実際、世界の電力エネルギーの46%はモータによって消費されている※1。化石燃料による発電から、再生可能エネルギーへの切り替えはもちろん大切だが、モータの消費電力を抑えることも重要である。より高効率なモータをつくることは、世界の電力消費を抑制し、脱炭素社会への貢献につながる。
※1 参考:一般社団法人日本電機工業会「トップランナーモータ」
モータ効率を10%向上させれば、原子力発電所を100基削減できる
モータのエネルギー効率が上がれば、消費電力を減らすことが可能となる。仮に、地球上のすべてのモータの効率を10%改善することができれば、原子力発電所100基分の消費電力を削減できる計算に(同社調べ)。モータは冷蔵庫やエアコン、ロボット掃除機など身の回りのあらゆるものに搭載されており、その効率が改善されると消費電力に大きな影響を与える。また消費電力削減のためには、モータ単体の効率だけでなく、インバータやギア、ベアリング※2もセットで、トータルで効率化に挑戦していくことが重要。ニデックがモータだけでなく、例えば、モータ・ギア・インバータを一体化させたEV用トラクションモータシステム、またはコンプレッサやファンも含めた冷蔵庫用ユニットといったように周辺機器も含めて手掛ける最大の理由はそのためだ。
※2 インバータ:直流電力を交流電力に変換し、モータの速度やトルクを調整する装置。
ギア:動力を伝達し、速度やトルクを調整するための部品。
ベアリング:回転や直線運動を支え、摩擦を減らす部品。
クルマのハンドルに電動モータがつけば燃費が5%向上
モータは、クルマの燃費効率も向上させる。クルマの操舵に必要な力をモータで支援する電動パワーステアリングの導入により、エンジン駆動でエネルギー消費が大きい油圧ポンプ式のステアリングと比べて燃費が5%向上した。現在、クルマの操舵を従来の機械的な仕組みではなく電子制御で行うステアバイワイヤの導入が進んでおり、ここでもモータが活躍している。ステアバイワイヤを採用することで、システムによる自動的な緊急操舵が可能となり、ドライバーが認識できなかった危険もシステムにより回避できるようになる。
「くらし」:モータの進化で身の回りの製品がより便利に
スマホの「押してる感」は触覚デバイスによって再現
スマホの使いやすさにもモータが役立っている。振動によって「触れる」感覚を再現する「触覚デバイス」。ニデックは、さまざまな機種に合わせて触覚デバイスを提供。触ったときのリアルなフィードバックが得られ、操作感が向上する触覚効果の良さからスマートフォン、PC、スマートウォッチ等で採用されている。ニデックは、ほかにもゲームや医療など多くの分野での応用を目指して触覚デバイスの開発を続けており、24年4月には「TapSense」という厚さ1.4mmの世界最薄(同社調べ)の永久磁石可動型リニア振動アクチュエータを開発した。この技術は、車載パネルやウェアラブル医療機器など、さまざまな機器に採用され、ユーザー体験の質を向上させている。
モータの進化によって掃除機はコードから解放された
昔の掃除機にはコードがあったが、最近の掃除機にはコードがない。実はこの変化にも、モータが関わっている。従来キャニスター型掃除機のモータとして主流であったACモータから、より小型でハイパワー、かつ消費電力が少ないDCブラシレスモータに進化したことで、バッテリー駆動が可能となり、キャニスター型掃除機と比べて吸引力は2倍、重さは約40%となり、掃除機は電源コードから解放された。省エネはもちろん、身近なくらしの変化にも、モータの進化が関わっている。
洗濯機もモータの進化でもっと静かに
ニデックは、音の静かな家電製品の実現に大きく寄与している。ニデックは、レジンパックモータ※3を世界で初めて実用化したメーカーであり、これにより従来のモータに比べて振動や騒音が大幅に軽減。さらに最近では、ブラシレスDCモータの洗濯機への実用化にも取り組んでいる。ブラシレスDCモータは制御がしやすく、洗濯槽内の水流の乱れによる音を抑えた運転が可能で、モータ本体も静音化されている。これにより、非常に静かな洗濯機を実現。
※3 内部部品を樹脂で封入することで振動を抑え、静音性を向上させたモータのこと
「みらい」:ロボット・空飛ぶクルマ・空飛ぶ基地局にもモータが貢献
減速機の開発で産業用ロボットが進化
減速機とはモータの回転数を落とす代わりに、回転する力(トルク)を上げる役割を担う、ロボットアームなどに使われる機器。国際ロボット連盟によると、22年に55万台だった産業用ロボットの世界市場は、人手不足問題や自動化で競争力を高めたい企業の増加により、26年に71万台に拡大する見通しだ(出典:国際ロボット連盟レポート)。そこでニデックは減速機とセンサ(トルク・温度・角度)を一体化した新製品を開発。減速機とセンサが一体化することで、協働ロボット(人と協力しながら働く人間協調型のロボット)の小型・軽量化、ロボットの衝突や過負荷検知、動作精度の向上、遠隔監視が可能となり、作業環境が改善。これにより、ロボットと円滑なコミュニケーションが可能になり、より快適で安全な労働環境につながる。
モータで空を飛ぶクルマが、被災地や離島への移動手段に
電動垂直離着陸機(eVTOL)、通称「空飛ぶクルマ」をご存じだろうか。モータの進化によって、東京⇔静岡間の距離をも移動できる空飛ぶクルマが可能になると言われており、将来的には渋滞の緩和などの社会課題の解決も期待されている。eVTOLが普及すれば、離着陸の場所を確保しづらい都市部、小さな島、被災地支援にも空路での移動手段を提供することが可能。ニデックは世界第3位の航空機メーカー・エンブラエルと合弁会社を設立し、機体が空中で移動するためのモータ駆動に関する技術を提供しており、今後、東京⇔静岡間と同等の最長100マイル飛行可能なeVTOLが完成する予定。
空飛ぶ通信基地局が、災害時の通信不安を解消
2024年1月に発生した能登半島地震では、地震の影響で多くの基地局が被災し、広範囲で通信が遮断された。この通信遮断は、緊急情報伝達や被災者への支援活動に大きな支障をきたし、災害対応の遅れや混乱を招いたと言われている。このような災害時をはじめ、誰もがいつでもどこでも安定した通信環境につながることができる社会を目指し、成層圏を飛行する通信基地局の開発が進められている。それが成層圏通信プラットフォーム(HAPS)。このHAPSには軽量でエネルギー効率が高く、長時間の飛行を実現するモータの存在が欠かせない。ニデックは、ソーラー発電のみで長時間飛行を行う HAPS 向けに、軽量・高効率・高信頼性のモータを開発し、成層圏の低圧環境においても安定した性能を発揮する高い放熱性を実現させた。
モータは身近なものにたくさん使われており、漠然と役立っていることは知っていてもここまでの影響力があることに驚いた人も多いのではないだろうか。モータ業界は世界の環境問題に大きく影響しており、我々の暮らしや未来をより豊かにしてくれる。また、そんな使命感を持って技術向上に取り組む社員の熱い想いが我々の未来や地球を支えてくれている。さまざまな取り組みに挑戦するニデックに今後も期待が高まる。
ニデック:https://www.nidec.com/jp/