福岡県の自慢の酒が東京・麹町に集結!「福岡県酒類鑑評会の受賞酒発表会」を都内で初開催
- 2023/11/1
- イベント
福岡県が運営するアンテナレストラン『麹町なだ万 福岡別邸』にて、福岡県の第11回福岡県酒類鑑評会で受賞した日本酒・本格焼酎の発表会が開催された。8蔵が上京し、各蔵の酒の魅力を語ったほか、受賞酒の中から特に優秀と認められ、福岡県知事賞、福岡県議会議長賞を受賞した20銘柄のきき酒を実施。なだ万が手掛ける、福岡の旬の食材をふんだんに使った料理とともに、食都・福岡の酒が紹介された。
「バラエティ豊かな福岡の食に寄り添うのが福岡の酒!」
乾杯の挨拶で江崎さんは「福岡は全国5位の酒蔵数で小さい蔵が多くバラエティ豊か。日本酒と本格焼酎がこんなにあるのは福岡くらい。66蔵のうち57が日本酒出身の蔵。3分の1ぐらいが焼酎を作っている。9蔵が焼酎専業です。九州のなかでも福岡は一番の大麦の産地ということで、「麦焼酎」が中心。福岡は韓国が近いので、お酒も食も大陸からの影響を大いに受けていて、大陸文化との融合で食は本当にバラエティ豊か。それになんでも応えられるのが福岡の酒の特徴。単独で飲んで美味い!じゃなくて、このおいしい食材に寄り添うのが福岡の酒。また、福岡は美味しいお米の産地でもあり、“山田錦”も採れるので、福岡県産米でお酒を作れるというのも大きな特徴」と語った。
テーブルには、福岡県酒類鑑評会で受賞した日本酒と麦焼酎が。
<日本酒>
【純米大吟醸酒の部】福岡県議会議長賞:(株)みいの寿「三井の寿 純米大吟醸 斗瓶採り」
【大吟醸酒の部】福岡県知事賞:(株)みいの寿「三井の寿 大吟醸 寒の蔵」
【純米吟醸・純米酒の部(精米歩合51~59%)】福岡県知事賞:若波酒造(名)「若波 純米吟醸 山田錦」
【純米吟醸・純米酒の部(精米歩合60%以上)】福尾家県議会議長賞:(株)喜多屋「特別純米酒 喜多屋プレミアム」
【吟醸酒・本醸造酒の部】福岡県議会議長賞:若波酒造(名)「若波 本醸造」
<本格焼酎>
【麦焼酎 長期貯蔵の部】福岡県知事賞:ゑびす酒造(株)「芳云 ゑびす蔵」
【麦焼酎 長期貯蔵の部】福岡県議会議長賞:(株)紅乙女酒造「河童九千坊ヴィンテージ」
【麦焼酎 樽貯蔵の部】福岡県知事賞:(株)喜多屋「長期熟成麦焼酎 是空」
【麦焼酎 常圧蒸留の部】福岡県議会議長賞:西吉田酒造(株)「釈云麦」
【麦焼酎 減圧蒸留の部】福岡県知事賞:光酒造(株)「博多小女郎 福吉」
それぞれのテーブルには受賞酒と今日の献立。福岡の酒と食をいただきながら会が進められた。
先付には福岡県産の小松菜浸し、博多春菊豆腐、はかた地どり昆布〆焼き
春菊豆腐の滑らかな舌触りがたまらない。春菊の香りが優しい味わい。
博多織がデザインされたオリジナルの小箱には、福岡県産天然マダイやヤイトカツオ、鐘埼天然穴子、福岡県産くえ、博多和牛などなど福岡の食が盛りだくさん。マダイとカツオのお刺身が新鮮で食感と旨味が素晴らしい。博多和牛は上品な旨味と甘味が口に広がり、美味い!
食事には糸島ベーコンと元気つくし米。椀の赤だしには福岡有明のり、博多万能葱など米の一粒一粒がしっかりしていて、米の味を堪能できる。優しい味付けで、旨味が詰まった糸島ベーコンとの相性も抜群だ。
デザートは八女抹茶ムースと柿の秋王。これがまた絶品!抹茶の香りが濃厚で味わい豊か。秋王は甘くてなんともフルーティー!まさに「秋の王様」だ。
博多玄界灘を望むなだらかな棚田地域・糸島産の山田錦の中から原料米を厳選。含んだ瞬間フルーティーな香りが広がり、爽やかな香りとキレ、まろやかな旨みが。「三井の寿」は漫画『スラムダンク』の作者・井上雄彦さんが、三井の寿の酒が好きだったことから、天才シューター三井寿(みついひさし)の名前の由来にもなったことで有名。酒造りは「科学とセンスと情熱だ!!」という井上さん、ラベルも自分で書いているのだとか。「ラベルが良くても中身が伴わないものが多い。あくまでも中身が伴うことが大事」と熱く語った。
「九州・福岡は様々な料理がありますが、醤油が甘かったり味が濃い料理が多いので、口に含んだ時のアタックは料理に負けないような旨味だったり甘味が大事かなと。口に含んだ時にしっかりお米から来る旨味や甘みが口の中に広がって、喉に溶けるような軽快な余韻を表現したい。『純米吟醸 山田錦』はコメのふくらみ、柔らかさ、上品さを感じてもらえるかなと。『本醸造』は米の旨味を味わってもらった後に、後キレの良い味わいになっているので料理と一緒に楽しんで欲しい」
『大吟醸 極醸 喜多屋』がインターナショナルワインチャレンジ2013日本酒部門において頂点であるチャンピオンSAKEに選ばれ、福岡の日本酒を世界に広めた。木下さんが目指す酒は「口中で優雅に大きく丸くふくらみ、後味の余韻が綺麗で美しい酒。芳醇さと透明感」なのだとか。
「長期熟成の商品作りにすごく力を入れている。ただ熟成だけすれば良いわけではなく、熟成・醸造・蒸留の3つのバランスをとって良い焼酎になる。今回受賞したのは『麦麴三段仕込』で、複雑さがあっても重たくならないような、雲のようにふわっと口の中に広がるイメージで和食によく合う」
ごまを使った世界初の蒸留酒『ごま焼酎』のパイオニアである紅乙女酒造。今回は長期熟成の麦焼酎が受賞。蒸留酒に欠かせない貯蔵という付加価値が紅乙女酒造では最大のポイント。貯蔵後の製品化に向けて味わいの違いを出すために、貯蔵する貯蔵容器を変えて貯蔵を行うのだとか。「蒸留酒は貯蔵が長くなるほど美味しくなる。長いものは20年、30年、50年というぐらい」と超長期の秘蔵酒になるのだそう。
「覚えにくい名前だが、愛染明王の真言に由来する名前で、30万回唱えると家庭円満だとかのご利益がある(笑)麦焼酎というと軽いイメージがあるが、重いもの、しっかりした味のものを作ろうということで作った」ガツンと来る濃厚な大麦の香り、ほどよい大麦由来の自然の甘さが特徴。ロックやお湯割りが美味しい。蒸留の時の温度が高いので、お湯で割ってあげると蒸留した時のような香りが楽しめるのだそう。
『こだわり三箇条』●原料にこだわる(国産の二条大麦を厳選使用)●温度管理にこだわる(徹底した低温度管理のもとで醸し品のある吟醸香)●味わいにこだわる(伝承製造技術のもと、減圧蒸留器特製を最大限生かし、しっかりとふくらみ、奥行きがありつつも、マイルドな味わいを再現)「クリアな飲みごたえ、クリアな辛さが特徴。まずは香り、そして後にくる深い味わいを楽しんでいただきたい」
九州=焼酎という人も多いと思うが、福岡県は全国有数の日本酒どころというから驚いた。特に「城島地区」は多くの酒蔵が並び、かつては灘、伏見と並ぶ酒どころだったとか。福岡は、酒造好適米の王様といわれる山田錦の生産が盛んで、九州地方最大の河川である筑後川など、豊かな水に恵まれている。また大麦の生産も盛んで、焼酎は麦焼酎が主流だ。そんな福岡の酒はただ美味いだけではない。66もある酒蔵がただ美味い酒を競って作っているわけではないのだ。今回、何度も耳にしたのが「福岡の美味しい食を支える、寄り添うのが福岡の酒」という言葉だ。確かに福岡の食はバラエティに富んでいて、とても豊富だ。米や麦だけでなく、八女茶、あまおうや秋王などの果物、博多春菊に博多蕾菜、博多なすなどの野菜。はかた地どりに博多和牛。一本槍(イカ)や鐘崎天然とらふくに糸島カキなどの水産物。挙げればきりがない。また大陸との交流の窓口として様々な食文化を受け入れてきたこともあり、まさに食の宝庫なのである。そしてその美味しい食を支え、寄り添うのが福岡の酒なのだ。もちろん美味くなくては支えられない。だからこそ福岡の酒蔵は切磋琢磨しているのだ。新鮮で豊富な食材、バラエティに富んだ名物料理をさらに美味しく!さらに楽しく!してくれる福岡の酒。何から食べて、何を合わせて飲もうか、想像しただけでワクワクしてくる!これは福岡に行ってみるしかなさそうだ。
福岡県アンテナレストラン『麹町なだ万 福岡別邸』
東京に居ながら福岡の魅力に存分に触れることができる福岡県のアンテナレストランとして、2023年1月に誕生。福岡の海の幸、山の幸、農産物などを味わえる他、日本酒は13銘柄、焼酎は7銘柄取り揃えている。
◆店舗HP:https://www.fukuoka-bimi.com/