熱海マニアな筆者が散歩の途中で偶然見つけた西洋風料理「熱海KOUWA」は、7/6(木)にオープンしたばかりのニューフェイス。横浜生まれ熱海育ちの中村シェフが父の背中を追って料理の世界へ飛び込んだ際の目標“育った熱海に自分の店を”を、見事に体現されたレストラン。デザイナーは採用せず、共に熱海で育ち大工となった同級生と作り上げた内装となっている。横浜のホテルニューグランドで13年経験を積んだ後、三島・熱海のレストランを経た中村シェフのお料理とは！？早速レポートしていこう。

Lunch C Course

熱海KOUWAは、ランチ・ディナーともにコースメニューで提供。今回紹介するのは、前菜・ハー フサイズの洋食・魚or肉・デザート・カフェまで楽しめるランチ最上位のコース。前菜はランチコース全て共通。目にも鮮やかな多種の野菜が輝く一皿。旬の野菜達はそれぞれ味付けが異なり、赤ピーマンはりんご味、オレンジピーマンはマンゴー味、さつまいもはレモン味… と、一口一口表情が変わる。果物も花を添え、肉や魚は野菜達を引き立たせる名脇役に徹するまさに野菜が主役の楽しい仕上がり。シェフの技術の高さと丁寧な手仕事に感動する前菜となっている。

続いては、コーンの冷製スープが登場。こちらはメニューにない料理。“お客さまの喜ぶ顔が見たい!”
粋な中村シェフからのミニサプライズだ。

ハーフサイズの洋食は4品準備されている。ぜひ食べてもらいたいのが「シーフードドリア」。中村シェフが13年勤め上げたホテルニューグランドのドリア。本家よりもソースが軽めの仕上がりとなっているそう。

15、6年前から作り始めて研鑽を重ねて来た「釡揚げしらすとトマトのパスタ」も捨てがたい。運ばれてくるとふわっと海の香りに包まれ、熱海時間を盛り上げてくれる逸品。ドリアか!?パスタか!?非常に悩ましい。パートナーや友人と訪れた際は、シェアして両方楽しむのもおすすめだ。

メインは魚・肉どちらかをチョイス。この日の魚は、しっかりと身がつまった旬の真鯛。みょうがとライムのソースでいただく。このソースが絶品。みょうが独特の苦さと青臭さはどこへやら!?…爽やかな香りのみが極限まで引き出されたクリーミーソース。ライムのアクセントがまた絶妙で素材同士の融合を得意とする中村シェフの手仕事がキラリと光る脱帽の一皿。

お肉は、カイノミのソテー。肉の火入れはお手の物。注目すべきはこちらもソース。1907年(明治40年)に発売された、総合洋酒メーカー「サントリー」の初のヒット商品「赤玉ポートワイン」にぶどうやアメリカンチェリーを入れて煮込んだフォンドボーベースのソースがかかる。年配のお客さまは、古き良き時代を彷彿させるこのソースにぐっと来る方が続出するのではないだろうか。

デザートは、ほうじ茶と栗がテーマの盛り合わせでコーヒーまたは紅茶とともに。ほうじ茶のアイス・ゼリー・栗のクリームとクレームダマンドがならび、大満足のラインアップでコースがフィニッシュ。ちなみに、ディナーメニューではさらにグレードアップしたデザートが提供されるそう。

熱海を愛する中村シェフの西洋風料理「熱海KOUWA」

熱海マニアの筆者が見つけた西洋風料理「熱海KOUWA」は、育った熱海をこよなく愛する中村シェフの想いが詰まったレストラン。食材と食材の無限の組み合わせを研鑽し続ける実直なフレンチはどこか懐かしい。一皿目の前菜で心奪われ、コースが終わる頃にはすっかり魅了される料理の数々。中村シェフの目の届く範囲で丁寧におもてなしをされるレストランなので、予約訪問がおすすめ。ぜひ味わいに足を運んでみてほしい。

詳細

ランチコース
A 3,500円(税別):前菜・選べる洋食・デザート・ドリンク
B 4,300円(税別):前菜・魚or肉・パン・デザート・ドリンク
C 5,000円(税別):前菜・選べる洋食(ハーフサイズ)・魚or肉・パン・デザート・ドリンク ※選べる洋食:シーフードドリア・そば粉のガレット・ピラフ(エビorチキン)・釡揚げしらすとト マトのパスタ・本日のパスタ

ディナーコース
A 7,800円(税別):前菜1・前菜2・スープ・パスタ・魚・パン・デザート・ドリンク
B 8,600円(税別):前菜1・前菜2・スープ・パスタ・肉・パン・デザート・ドリンク
C 10,000円(税別):前菜1・前菜2・スープ・パスタ・魚・肉・パン・デザート・ドリンク
※お酒をメインに楽しまれる方にはアラカルトも用意。

西洋風料理 熱海KOUWA
静岡県熱海市中央町19-31布袋屋第2ビル201
0557-55-7358
月:11時30分~15時(L.O.13時30分) 木~日:11時30分~15時(L.O.14時)・17時半~22時(コースL.O.20時)
定休日:火・水